Nateの英語学習ブログ

CEFR C2 を目指す英語学習者のブログ

「イギリス英語」という優れたマーケティング方法

私はいわゆるイギリス英語の発音習得を志向している。生来の天邪鬼的な性格もあるし、新社会人時代にR を巻くアメリカ英語を話す同期女子社員が生理的に嫌いだった、ということも理由の一つである。(典型的な)アメリカアクセントとイギリスアクセントを比較したときに、後者の方が耳に心地良い、というのが今現時点での志向する主な理由である。以前にも書いたが、私は真似したい英語があって初めてやる気が継続するタイプの人間なのである。数多くある鼻持ちならない表現も含めてイギリス英語は私の理想とする英語なのである。

 

しかし、以前、狂ったようにイギリス英語の発音の参考書や勉強法を探していたときに、そもそも「イギリス英語」というものは幻想であることを知ってしまったのである。これはイギリスの中でも各地方によって話す英語は異なるということである。具体的に言えば、北部と南部でアクセントや使う語彙も異なるケースが多いのである(同じロンドンですら異なることもある)。同じ理由で「アメリカ英語」もそもそも幻想であると考えている。

 

また、同僚から聴いた話だが、東海岸育ちのアメリカ人がロンドンで10年間過ごした後にニューヨークに戻るとイギリスなまりになった発音を笑われる、ということがあるらしい。これはまさに関西出身者が大学で東京に出た後地元に戻った時に言われることと同じではないだろうか。つまり、完璧なイギリス発音を維持することそのものが(たとえネイティブであっても)不可能なのである。(同様に韓国人同僚がソウルに戻った時に「お前韓国語下手になったよな」と言われるという話も聴いたことがある)

 

また、私は吸収したすべてが「私の英語」になると思っている。付き合った人、勤めた会社、観たドラマ映画、好きな Podcast そして学んだ教科書すべてに言葉は影響されるだろう。その意味では、イギリス生まれでもなく、イギリスで育ったわけでもない自分が、本当の意味でのイギリス英語を習得できるわけはないのである。(これも「イギリス英語」を「関西弁」に変えれば想像しやすい。)

 

それでも、基本作法としての英語発音などは RP に寄せたいというのが本心である。これは性格的なものであり、変えられないとは分かっていながらも、マーケティング文句に乗っかってしまっているな、と思わざるを得ないのである。YouTube では「British Accent」と題する動画を未だに観てしまうし、実際にその延長線上にある発音レッスンを受講しているのだから、救いようはないのかもしれない。