と、言われると人は誰でも嫌な気持ちになる。多くの場合、人は学習時間を確保できないことそのものでストレスを増幅させている。そもそも学習時間を確保できないことは本人が一番自覚しているのだから、「無能」という枕言葉を添えて指摘する必要は実際のところないのである。
彼らは「無能」だから学習時間を確保できないのではなく、自身の人生の優先順位を決めることができていないだけである。つまり、自分の人生における価値観を知らないだけである。あるいは、（英語）学習よりも重要なアジェンダを持っているだけである。
育児で時間が取れない、仕事で時間が取れない、色々な言い訳は存在するが、究極的には学習にそれら以上の価値を見出していないのである。価値を見出しているのにも関わらず行動できない、ということは私はありえないと思う。卑近な例で言えば、15分の英語学習時間を確保することはできないが計30分のTwitterをする時間があるという人は、Twitterをすることによって得られるものにより重きを置いているのである。
自身の人生の優先順位を決めることができていない人を「無能」と呼べるかというと微妙である。ただ、人生の重要な問いに向き合うだけの時間を確保することは、優先順位を上げる価値があることである、と少なくとも私は心の底から思っている。
