Nateの英語学習ブログ

CEFR C2 を目指す英語学習者のブログ

書評「The Subtle Art of Not Giving a F*ck」

少し毛色の違うエントリ。

 

 

今年から洋書は Audible で(できれば)月に 1 冊聴こうと決めた。通勤のドライブ中や隙間時間に聴くようにして、まず 1 冊読み(聴き)切ることができてホッとしている*1。最初に手に取ることにしたのは、The Subtle Art of Not Giving a F*ck である。読み始めた理由は、昨年本屋に行くたびにベストセラーコーナーに並んでいたから見覚えがあった、という単純なものである。



さて、本題の感想を一言でいえば、「恋愛工学者が仏教にかぶれたクソ説教本」というもので、その言葉の汚さも含めて、英語でなければ読む(聴く)価値はなかったと思うくだらない書籍だった*2。乱暴に要約すれば「クソだらけの世の中なのだから、気にするクソは自分で選べ」という平々凡々なアドバイスで、言うなれば中途半端な仏教への理解と著者自身の経験のみに基づいた居酒屋でうだつが上がらない上司から聞くレベルの説教である。恋愛工学者と冠させたのは、彼のブログが注目された理由がデートのいろはの解説だったからである(彼自身、本書の中でも数多くの女性を抱いたことについて、壊れたリマインダーのように触れている)。



読み(聴き)終わってから日本語訳版が発売されているのを知った。訳書は原著のタイトルを意図的に変えたのではないかと考えている。ここでの give f*ck は I don’t give a f*ck. 「んなクソみてーなこと気にしねえよ」で使われる意味であり、純粋に訳せば「クソみたいなことを気にしない些細なテクニック」とかだろうか。アドラー心理学の本がベストセラーとなった日本では、そのままのタイトルでも売れたのではないかと思っている。

 

もし興味があれば、本を買わずに彼のブログを試し読みしてみるとよいだろう。

 

markmanson.net

The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life

The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life

  • 作者:Mark Manson
  • 出版社/メーカー: Harper
  • 発売日: 2016/09/13
  • メディア: ハードカバー
 

 

日本語訳はこちら。

その「決断」がすべてを解決する (単行本)

その「決断」がすべてを解決する (単行本)

 

 

 

*1:去年はハリー・ポッター原著マラソンに失敗しているし、今年は英文記事マラソンにエントリ中なので挫折リスクが高かったため。

*2:アマゾンのレビューなら絶対に星二つ以下。